マツエクの歴史

まつげエクステの起源は、20年程前に韓国からと言われています。
つけまつ毛の製造工場で製品をカットした後の余分な端を利用できないか?と考え、直接まつ毛に付ける発想から始まったと言われています。
当初は3~4本のまとまったフレアタイプが主流で、地まつ毛1本に3~4本のまとまったエクステンションをつけると重さでまつ毛が下がってしまうので、地まつ毛を何本も束にしてその上にエクステンションをのせていました。
現在は、1本に1本つけるという手技が主流になっておりますが、その他にボリュームラッシュというジャンルの手技もあります。

今でこそ、多くの女性が取り入れるようになったマツエク。その歴史はいつ、どこではじまったのか知っていますか?マツエクのプロであるプロアイリストでも、意外と把握していない人もいるのでは?知っておくと、施術中のお客様との会話に幅が広がるかもしれません。詳しく見ていきましょう。

マツエクの発祥はいつ、どこで?

マツエクの歴史は、美容大国である韓国で2000年からはじまりました。当時の主流は、つけまつげ。生産中には、たくさんのラッシュが余ります。何かに活用できないか、と考えた末に生まれたのです。つけまつげとは異なり、1度つけるとしばらく維持してくれるマツエク。当時の韓国では多くの女性を驚かせました。

そして、2003年頃には、日本にもマツエク文化が広まります。しかし、当初は商品の品質も施術者の技術も整っていません。「すぐに取れる」「地まつ毛が傷む」「目に異変が起こる」と問題も多数発生します。それを受けて、厚生労働省は2008年に美容師法の通達を再掲示。施術者は美容師免許所持者のみに限られ、施術場所は美容所登録が必須といったことを再確認する内容でした。当初は決まりを守らない悪質なサロンも見られましたが、取り締まりが強化されたため次第に減少。さらに、安全性の高い国産グルーも開発され、お客様との信頼関係が築けるようになりました。安全への信頼度が高まるにつれて、エクステブームに火が付き始めます。現在では全国各地に、数多くの専用サロンや美容室併設のサロンが広まりました。資格を保持した施術者とベットが一台置けるスペースさえあれば開業できるという営業特性から、脱毛サロンやマッサージ店などでマツエクの施術を取り入れるケースも増えました。

もっと自然に!進化、改良の歴史

日本で取り入れられたばかりの頃は、3~10本程度の毛束を2~3本の地まつ毛に付けていたマツエク。ブームに伴い、進化と改良が繰り返されるようになりました。2004年頃には、1本の地まつ毛に対し、1本のエクステを付ける方法が主流に。より自然に見せながらも、しっかりとボリュームを増やせるようになったのです。

エクステ自体も進化し、今ではカールの形状や毛の太さ、長さまで自由に選べます。そのため一人ひとりの目に合わせた施術ができるようになったのです。また、エクステだけでなく、国産グルーの種類も増加。お客様にとってお手入れしやすく、目への負担を考えたグルーへと進化していったのです。もちろん、施術技術も進化を遂げました。現在は、オーダーメイド形式の施術により、なりたい目元を実現できるようになっています。たとえば、目元の印象を柔らかくしたい人には、タレ目風に印象を変えるデザインを提案したりと、一人一人の目に合わせた施術が出来るほど、技術は向上しています。

現在主流となっているマツエクの種類

現在主流となっているマツエクの種類について簡単に解説します。

【カールの種類】

カールの形の選択肢は、現在主に3種類。ナチュラルな「Jカール」とビューラーでカールさせたような「Cカール」、そして最もカールの強い「Dカール」があります。なりたいイメージに合わせて選べることで、ニーズに合った施術が可能となりました。「Dカール」の他にCCカール(メーカーによってはSCと呼ぶこともあります)のようなカールの強いものも人気ですが、概ね3段階のカールを取り入れるサロンが多いといえます。

【長さ】

5mmから16mmまで異なる長さのマツエクがあります。現在のトレンドは、ナチュラルな目元。あまり長すぎない9~12mm程度が人気を集めています。

【太さ】

現在主流の太さは、0.1~0.25mmです。
実は長さだけでなく、太さも目元の印象に大きくかかわってきます。選び方によってはかえって目を小さく見せてしまう場合もあるため、アイリストの腕の見せ所。しっかりとカウンセリングをして、適切な太さをご提案しましょう。

【素材】

最後にマツエクの素材について。
『ミンク』:しなやかな質感が人気の、ミンクエクステ。地まつ毛に馴染みやすい、ナチュラルな着け心地が魅力です。お手頃な価格で施術を受けたいお客様には、ミンクエクステをおすすめすると良いでしょう。

『シルク』

本物のシルクのような質感が特徴のシルクエクステ。マツエクが日本で流行り始めた時期に、主に取り入れられていた素材です。リーズナブルな価格で施術が行えるため、現在も安定した人気を保っています。シルクの中でも品質が異なるものがあり、質のいい最高級シルクは別格の素材とされています。

『セーブル』

人工毛でありながら、地まつ毛とほぼ変わらない質感は、セーブルエクステならではです。値段は高価ですが、カールが長持ちし、地まつ毛にも優しいことから、質を重視するお客様に選ばれています。

最新マツエクとこれから

女性から安定した人気を集めているからこそ、マツエクは進化し続けています。最新マツエクといえば、「3Dボリュームラッシュ」。1本の地まつ毛に、2~5本の毛束エクステを付ける技術です。冒頭で述べたような、マツエクが始まったころの毛束エクステとは異なり、エクステ自体が極細毛のため、仕上がりはナチュラル。目元に立体感が生まれます。また、毛の間の隙間も埋めてくれるため、目力も強めに。アイラインを引かなくても良いほど、ボリューム感あふれる最新エクステです。合わせて、カラーエクステも注目の的。ナチュラル派にはブラウン、ガーリー派にはボルドーが選ばれているようです。

今後は「アップワードラッシュ」と呼ばれる技術も、広がっていくことでしょう。下向きに生えやすい日本人の地まつ毛を、根元からリフトアップしエクステを付ける技術です。カールの弱いJカールでも、パッチリとした目元に仕上がります。

まとめ

短い歴史の中で、たくさんの進化と改良を繰り返しながら発展したマツエク。当初は「つけまつげ感」がありましたが、今では地まつ毛に近い質感に変化しています。外国人のような立体感のある目元も可能に。きっと数十年前には考えられなかったことでしょう。これから私たちも、新たな技術の進歩へ貢献していきたいですね。